海外デバイスニュース|眼鏡決済と交換電池ヘッドホン

海外デバイスニュース|眼鏡決済と交換電池ヘッドホン

スマートグラスは「見る道具」から支払い端末へ、ヘッドホンは密閉された消耗品から電池を替えて使う製品へ。今週の海外デバイスには、派手な処理性能とは別のところで使い方を変える動きが並びました。中国で始まった眼鏡決済とeSIMルーター、次期カメラ旗艦の予告、欧米の音響製品を順に見ていきます。

WeChat Payがスマートグラスへ|支払いはまだスマホ併用のベータ

スマートグラスのテンプルを操作し接続中のスマートフォンと連携して少額QR決済する場面

WeChat Pay(微信支付)は9月8日、表示機能を備えるスマートグラス向けのQR決済SDKをベータ公開しました。RokidのAIグラスが最初に対応し、利用者は音声で読み取りを起動、店頭の決済用QRコードへ視線を合わせ、テンプルをスライドして金額と店舗を確認します。基本版の上限は1日200元です。

ここで大切なのは、眼鏡だけで完結する新しい決済方式ではないことです。初回はメーカーのスマホアプリからWeChatアカウントと結び付け、普段の支払いでもスマホとの接続が必要です。支払い中はAIアシスタントや撮影操作を一時停止し、テンプルで承認した後に初めて決済されると説明されています。現時点で対象は店頭の決済用コードで、ミニプログラムの起動や友だち追加など一般のQR読み取りには使えません。

便利さの一方、顔の向きだけで支払いが走る仕様ではなく、視線、画面確認、物理操作、接続端末を重ねた設計です。中国で普及するQR決済を前提としたベータであり、日本のコード決済へそのまま移植できると決まったわけではありません。ただし、表示付き眼鏡が通知端末から本人確認を伴う取引端末へ進む節目としては見逃せません。

vivo X500と携帯ルーター|撮る端末とつなぐ端末を再設計

スマートフォンのレンズ・防振・センサー・多段露光と携帯ルーターから3端末への接続を示す概念図

vivoは9月7日の創作者イベントで、9月21日に発表するX500シリーズの映像技術を予告しました。センサー、防振、アルゴリズム、映像チップ、色処理を一つの技術群として扱い、主カメラには同社が「最高17EVのダイナミックレンジ」とする新センサーを採用予定です。4K/240fpsのスローモーション、Log収録、動画追尾、構図提案や自然言語による編集を行うAI撮影支援も掲げています。

数値や画質向上率はメーカー説明で、製品の実写評価は9月21日の正式発表後を待つ必要があります。それでも、画素数だけでなく撮影前の提案から編集までを端末内で結ぶ方針は明確です。中古端末ではカメラ部品の状態に加え、専用チップやAI機能がOS更新後も維持されるかが価値を左右しそうです。

同じ中国では9月8日、華為随行WiFi 5のeSIM版(E5586-822-E)が269元の初売価格で登場しました。4G回線を受け、Wi-Fi 4の2.4GHz帯で最大16台へ共有する小型機です。公式仕様は2400mAh電池、理論上の下り最大195Mbps。eSIMでは中国移動と中国聯通を切り替える仕組みと報じられています。

名称にeSIMとあっても、海外旅行用の自由なプロファイル追加を意味しません。公式サポートは専用の初期設定を案内しており、販売地域や料金プランも中国向けです。5GHz帯や5G通信にも対応しないため、速度より「物理SIMを挿さず複数機器をつなぐ」手軽さへ振った製品と見るのが妥当です。

Sony WH-1000XM4C|名機の再投入が交換電池時代を映す

サービスカバーを外して交換可能な電池区画を見せるオーバーイヤーヘッドホン

Sonyは9月7日、2020年発売のWH-1000XM4を土台にしたWH-1000XM4Cを欧州向けに発表しました。折りたたみ構造やノイズキャンセリングの基本を残し、音の調整を見直して10バンドEQを追加。9月から英国219ポンド、欧州279ユーロ前後で販売するとしています。

更新の背景として専門媒体が挙げたのが、2027年2月18日から適用されるEU電池規則第11条です。同条は原則として、内蔵型の携帯電池を一般的な工具で利用者が取り外し、交換できる設計にするよう求めます。WH-1000XM4Cは交換可能な電池へ改めた一方、ANC使用時の公称再生時間は旧型の30時間から27時間へ短くなりました。

新製品を一から作るのではなく、支持された筐体を法規と保守性に合わせて戻す判断は、中古市場にも含意があります。交換部品が継続供給され、手順と安全情報が公開されれば、電池劣化だけで価値を失う個体を減らせます。ただし日本での発売、交換部品の価格、作業手順は今回の欧州発表だけでは確認できません。

AIイヤホンと紛失追跡|ケースがもう一つの端末になる

録音操作用スマートケースのAIイヤホンと紛失追跡対応の小型イヤホンケース

viaim Riseは9月8日、Indiegogoで支援募集を開始しました。イヤホンを収納したままでもケースから録音を始められ、会話の文字起こしや翻訳、案件ごとの要点整理、利用者が確認した後の外部AIへの引き渡しまでを一連の仕事として設計しています。11mmと6mmの2ドライバー、ANC、USB-C接続時にケースをPC用マイクとして使う構想も発表されています。

ただしクラウドファンディング製品です。259ドルの早期支援価格、399ドルの予定小売価格、78言語・145アクセント対応などは企業側の計画で、量産品の納期や認識精度、継続課金後の機能範囲は実機と正式条件で確かめる必要があります。会話録音は地域の法令や相手の同意にも注意が要ります。

一方、JLabのJBuds Mini ANCは9月8日に米国販売が始まりました。小さなキーリング付きケースにANCを収め、Appleの「探す」で追跡できるのはケース側です。メーカー公称でイヤホン単体7時間以上、ケース込み25時間以上、IP55、2台同時接続に対応します。イヤホン本体ではなくケースを探せる仕様だという区別は、購入前に押さえておきたいところです。

二つに共通するのは、充電ケースが電池箱ではなくなったことです。録音の入口、PC接続、紛失追跡まで担うほど、ケースをなくした際の損失も大きくなります。中古査定では左右のイヤホンだけでなく、純正ケースの動作、アカウント解除、マイクや物理ボタン、電池状態の確認がこれまで以上に重要になります。

まとめ|性能表の外側で寿命と使い方が変わる

眼鏡決済はまだスマホ併用の少額ベータ、vivoのカメラ性能は正式発表前、viaim Riseは支援段階です。確定した発売と将来計画を混ぜずに見る必要があります。その上で、交換できる電池、役割を増やすケース、回線契約を内蔵するルーターという流れには、端末を長く使うための条件が性能表の外側へ広がっていることが表れています。

参照元

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